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係争実務/特許侵害訴訟(1)

松尾卓哉 | 2021/10/16

係争の要因

企業活動を行っていると多かれ少なかれ特許がらみの係争に巻き込まれることがあります。
競合社間での商圏の奪い合いから相手方企業に対する憤りや怨恨が発端となる場合も少なくありません。
係争/裁判は長期に及ぶことがあり、企業社員がその対応に忙殺され、本来の業務に支障をきたす可能性もあります。
裁判が長くなるほど代理人費用が嵩み、敗訴した場合の損害額が企業活動に影響を与える可能性もあります。
係争に突入する前に何とか収束させる手段を模索することも場合によって必要かもしれません。

係争入口

係争の入口はだいたいこんな感じだと思います。

顧客に自社製品を提案する場合、それに先立って特許出願をするのが通例です。
商圏が奪われ、それが自社技術であった場合・・・
まずは自社特許又は特許出願の技術的範囲に相手方(被疑侵害者)の製品が含まれているかどうかを検証します。
特許出願中で未だ権利化されていない場合、早期審査請求などを行って速やかに権利取得を目指すこともあるでしょう。
その出願で広い権利がとれそうもない場合、被疑侵害品をみながら少なくともこれを権利範囲に入れる補正を行ったりもします。
自社特許の有効性が確認できた場合、相手方の侵害行為を特定し、警告などのアプローチを行うことになります。

※次回以降、係争の発端から決着に至るまでのイメージを解説していきます。